2013年1月31日木曜日

子ども予防接種週間

全国的に風疹患者が増えていますが、宮崎市でも09年1月以来3年ぶりに風疹患者が確認されたようです。ワクチンで防ぐことができる病気(VPD:Vaccine Preventable Diseases)を防ぐため、予防接種についての広報・啓発活動が大切ですね。

2012年8月6日月曜日

防災士養成研修

8月4日・5日で防災士養成研修(基礎コース)を受講してきた。

防災士とは「自助・互助・協働を原則として、かつ、公助との連携充実につとめて、社会の様々な場で減災と社会の防災力向上のための活動が期待され、さらに、そのために十分な意識・知識・技能を有する者として認められた人」のことである。(日本防災士機構

防災士の活動は、災害について公的機関や民間組織・個人と力を合わせて、以下の活動を行う。
 ・ 平常時においては防災意識・知識・技能を活かして、その啓発に当るほか、大災害に備えた自助・共助活動等の訓練や、防災と救助等の技術の練磨などに取り組む。また、時には防災・救助計画の立案等にも参画。
 ・ 災害時にはそれぞれの所属する団体・企業や地域などの要請により避難や救助・救命、避難所の運営などにあたり、地域自治体など公的な組織やボランティアの人達と協働して活動。

研修実施機関としては民間機関が実施する事もあるが、宮崎では宮崎県が県内における地域防災力の向上を目的とした事業の一環として、平成18年度から防災士の養成を行っている。平成24年度からは教育委員会とも連携し、教職員を対象とした研修も実施されており、各学校に最低1人は防災士がいる事を目指すことになっている。

災害時の医療機関での対応を学ぶものではないが、地域の中で防災リーダーとして普段から減災・防災に取り組み、災害時には公的支援(公助)が到着するまでの初期消火・救出救助・避難誘導等の自助・共助活動を行う上でとても重要な役割を果たすと思われる。

中山間地域では人と人との繋がりが強く、自治会や消防団の連携もあり、自主防災組織としてのまとまりはあると思われれるが、防災リーダーとなる人が欠如あるいは十分な意識・知識・技術をもった人がおらず、十分な危機管理ができていない。
「毎年、消火訓練をやっているから大丈夫...」「災害時要援護者リストもある...」
これさえもないよりはよっぽどマシであるが、やはりこれだけでは不十分である。
自分たちの地域での被害をより具体的に考え、それをもとに組織をどう動かすのかの戦略を考え、平常時に計画・行動・訓練を行っていかなければならない。
自分たちの住む地域の災害の特徴を知り、そのリスクを考え、準備と備え(ハード・ソフト)を行う必要がある。

阪神・淡路大震災では、生き埋めや閉じ込められた際の救出状況は、95%が自助・共助で助けられたそうだ。(自分34.9%、家族31.9%、隣人28.1%、通行人2.6%、救助隊1.7%、その他0.9%)
災害時には消防や自衛隊等の公的支援が到着するのを待っていたのでは遅い。
防災リーダーを育て自主防災組織が有機的に機能することが、災害による被害を予防し、軽減するためには非常に重要であると考える。

「自分たちの地域は自分たちで守る」意識を広めていく必要性を改めて感じた。

2012年7月26日木曜日

震災訓練

今日は『地震』を想定しての防災訓練を行いました。

≪訓練の想定≫
   午後5時、日向灘北部を震源とする地震が発生し、南郷区は震度5強。
   診療所の被害状況:ライフラインは電話・電気・ガス・水道・酸素は全て停止し、自動発電装置は作動した。携帯電話・インターネットは繋がりにくいものの使用可能。壁や天井の一部損壊はあるものの、人的被害はなく、避難の必要はなく診療機能は残されている。
   周辺の被害状況:家屋の一部倒壊や道路の亀裂が入るなどの物的被害があり、バスと普通自動車との正面衝突事故も発生し、かなりの数の人的被害も出ている。
地震発生後、災害対策本部を設置しました。各部署からの被害状況を確認しているところです。

トリアージポストを設置し、来院してくる傷病者のトリアージを行う準備をしています。

患者が次々と運び込まれてきました。

かなり混雑してきました。

こんな患者もやってきました。

救急処置も行っていきます。

重症患者の搬送準備(全脊柱固定)を行います。


 
訓練終了後にまとめを行いました。



今回、たくさんの協力を得ながら「地震」を想定しての訓練を計画し、実行にうつすことができた。今回の想定は地震はあったものの被害は比較的軽い設定とした。
こういった訓練は災害拠点病院や大都市では行われることが多いが、災害はどこにだって起こる可能性がある。この小さな町の小さな診療所も例外ではない。
中山間地域はただでさえ普段から人と物が不足し、非常備消防のこの地区では日常の救急医療でさえもまともにできない状況である。大災害が発生した場合に十分な訓練と備えがなければその被害は計り知れない。
今後は、更に規模を大きくした訓練も継続して行っていきたい。

2012年7月22日日曜日

みさと地域医療塾~2012~






昨日、今日と私が働く美郷町南郷区において「みさと地域医療塾」が開催されました。地域医療塾とは美郷町の医療従事者と地域住民が意見交換・体験交流などを通してお互いの理解を深め、そこに医学生や研修医も参加してもらい、地域医療の魅力を広めていくことを目的としています。不定期ではありますが、美郷町の各地で年間を通して開催されています。そして、年に1度のこの日は美郷町内の医療従事者はもちろん宮崎県自治医大卒業医師、宮崎大学医師、医学生、美郷町の町長・副町長・教育長・町議会議員、宮崎県庁医療薬務課、美郷町住民、それぞれの家族もが参集し、地域医療について熱く語らいます。昨年に続き2度目の試みでしたが、昨年以上の盛り上がりを見せ、会としての成長を感じることができました。
開会のあいさつ後に、各地域の現状について医師からの発表があり、特別講演として80歳を超えても今だ現役で諸塚村で診療を続ける黒木重三郎先生のご講演があり、その後は参加者全員で熱くディスカッションを行いました。
夜は手打ちそばと郷土料理を肴に、夜遅くまで交流会が続きました。

地域医療の魅力を伝え、少しでも地域医療に関心を持つ医療従事者を増やし、かつ地域住民に地域医療の理解と協力を求めるには、本当に良い活動だと思います。
今年度には塾舎もできる予定で、更なる飛躍が期待されます。

2012年7月3日火曜日

溺水時の応急処置・心肺蘇生

7月に入り、プール遊び・水遊びが楽しい時期になってきましたが、同時に水難事故にも注意しないといけない季節です。
今日は学校の保護者を対象に「溺水時の応急処置&心肺蘇生」と題して、講習を行いました。
水難事故例を提示し、救命の連鎖の流れで予防方法→溺れている人を見つけた時の対応→一次救命処置の流れで話をし、最後に人形を使って参加者に溺水時を想定した心肺蘇生の練習をしてもらいました。
昨年参加した方もいたようですが、みんな真剣に取り組んでくれて良い講習ができたと思います。
今度は中学生にも心肺蘇生の講習をすることになりそうです。
本当の意味で心肺蘇生の知識・技術を普及させるためにはやはり子供の頃から、年齢に応じた教育を全員にしていく必要があると思います。
少しでも貢献できるように、身近なところからでも頑張っていきたいと思います。

2012年6月10日日曜日

全脊柱固定

昨日は宮崎県人会(宮崎出身の自治医大卒業医師の集まり)で、全脊柱固定の実習をしました。

宮崎ドクターヘリが導入になったものの、要請する側の救急の基本的な知識や技術はまだまだ不十分なように感じています。
ニュートラル位、頸椎カラー装着、ログロール、バックボード固定…病院前外傷診療の分野では基本的であり、かつドクターヘリ搬送の際にはできて当たり前の部分も実際には現場の医師はできないことも多い。
常備消防の地区では、医師は病院前の知識までは本来は必要ないのだが、非常備消防が広域を占める宮崎県においてはそこで働く医師はそこまでの知識・技術を要求される。
自分もまだまだですが、せっかく導入になったドクターヘリが非常備消防地区においても、もっと有効活用されるように、身近なところから知識・技術の普及に努めていきたいなと思います。知識・技術のために、要請しない、要請が遅れる、あるいは患者さんに害が及ぶような事がないように
田舎にいる自分だからこそできる事もあるかなと思う今日この頃です。

2012年2月12日日曜日

脳低温療法

昨日は第39回宮崎救急医学会に参加してきた。
はじめての参加であったが、宮崎で救急を頑張っておられる先生方が集まり、発表毎に熱い議論が交わされていてとても驚かされた。
今回の特別講演は、山口県立総合医療センター院長 前川剛志先生で「軽度低体温療法(脳低温療法)の現状と課題」の講演だった。

<講演メモ>
・体温↑→梗塞サイズ↑(サイトカイン↑)IL-8(好中球誘導)・IL-6(CRPインデューサー)
・高血糖→神経学的予後悪い
・Ca蓄積→カルコール×
・グルタミン酸↑
・脳虚血再開通後にスーパーオキサイド↑→血管内皮がやられる
・SAH:NO(ラジカル)が脳脊髄液中で上がる。血中NOは2週間で下がる→spasmと関係ある!?
・脳低温療法時間:12~24時間(24時間やれば大丈夫)。
・心原性は虚血による潅流障害だけだが、頭部外傷は脳自体の障害あるので、脳低温療法でも厳しい。
・新生児仮死:低温療法有効。頭だけ冷やす。33-35℃。
・小児頭部外傷では脳低温療法をやったほうが予後が悪い!バックグラウンドの違い!?
・頭部外傷に対する脳低温療法については結論出ていない。変わらないかも!?高次脳機能は維持できるかも!?
・プロトコールを立てるときは最重症・軽症は省くほうが良い。
・鎮静(ミダゾラム)だけではダメ!→血糖↑
・必ず麻薬を使用する。麻薬は鎮痛だけでなく鎮静・シバリング中枢抑制作用もある。
・麻薬を使用してもシバリングが出るようなら筋弛緩薬を使用する。
・NLA法が良い。ドロレプタンはα遮断作用もあり、有効。
・脳低温療法:浮腫改善。代謝抑制。細胞内アシドーシス改善。細胞内Ca蓄積の抑制(32℃)・・・
・心係数は正常域を維持する。それを下回ると脳低温療法の益がさがる...
・温度測定は血液温がベスト!膀胱温でもよい。末梢温度も測るべき(ほんのり温かいくらい)。十分なvolumeと末梢をひろげる。
・カリウムは正常下限→復温時のVf予防。
・血小板→5万を切ったら輸血。
・輸液はサリンヘス・ヴィーンF・リンゲル液などの糖を含まないものを使用する。ヘスパンダーは糖を含むので×。4℃、1500-2000ml(30ml/kg)、30分で。
・脳低温療法中は頭蓋内圧は下がるはずなので、上がる時には何か異常が生じた可能性あり。
・WBCは様々。CRPは上がる(←IL-6↑)が、タンパクなので産生に半日〜1日かかる。
・呼吸抑制-人工呼吸器
・酸素乖離曲線左方移動-微小循環改善
・循環抑制-ドブタミン
・不整脈-リドカイン
・血管収縮-volume・末梢
・シバリング/アシドーシス-微小循環改善。メイロンは組織アシドーシスになる。細胞内pH↓。
・K/Mg/Pにも注意。
・凝固障害
・32℃にしても、volumeいれてafterloadをとれば心筋酸素消費量を減らせて、Vfにはならない!
・シバリングは熱産生につながるので、きちんと抑制しないとダメ!
・早期の冠動脈再開通治療すべき。PCPSしながらやるのが良い。
・目標:32-34℃。自信があれば32℃が良い。32℃の方がCa蓄積↓。
・脳低温療法はラジカル・スーパーオキサイドを抑制する。
・頭部外傷は低温にするまでに時間がかかる。2時間以内に下げることができれば、成績はもっとよくなるかも!?
・下大静脈内カテーテル冷却法。
・CHDF:heat exchagerは使える。サイトカイン除去については大きなものはとれる!?PMX-エンドトキシンだけでなく、核内蛋白・内因性麻薬も除去できる!?
・縊首・窒息系は成績よくない。静脈系が遮断されることにより、脳内微小出血がおこる。頭部外傷と同様に脳自体の障害がおこるため。低酸素血症→乳酸↑、CO2↑→組織pH↓。


心肺停止後ROSCに至った患者をただ助けるだけでなく、神経学的予後をいかに良くするかの戦略が必要だと改めて考えた。