2009年7月17日金曜日

地域へ

医師不足解消へ診療科に定員制 適正配置求め財制審提言
 財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は医師不足の解消に向けた改革案を提言する。医師になる際に選ぶ診療科(内科や外科など)の規制や、看護師の医療行為を広げることなどが柱。医療機関向けの診療報酬が年末に改定されるのを前に、医療サービスを効率的に提供する体制づくりを優先させ、引き上げ論をけん制する狙いもある。
 6月にとりまとめる建議(意見書)に盛り、2010年度予算編成の指針となる「骨太方針09」に反映させたい考えだ。財制審が最優先課題に取り上げるのは、医師が足りない診療科や地域に適正に配置する仕組み。政府は昨年以降、大学医学部の定員数を約860人増やしたが、最近は精神科や整形外科に人気が集まる一方で、激務の産科や外科は敬遠されがち。このため国家試験の段階で定員制を導入するなどの検討を求める。


大学医学部の定員、来年度369人増 偏在是正へ「地域枠」拡充
 深刻化している医師不足への対策として、文部科学省は17日、大学医学部の総入学定員枠を2010年度に369人増やす方針を決め、関係閣僚会議で報告した。定員は08年度から2年連続で増加し、09年度には過去最多の8486人となっていた。
 特に地方への定着を促すため、地元勤務を義務付ける代わりに学生に奨学金を出す「地域枠」を活用する大学の入学定員を増やすとともに、近隣の都道府県の大学についても利用できるよう制度を変更した。
 また、複数の大学が連携して研究医養成に力を入れる大学についても10人、過剰とされる歯学部の入学定員を減らした大学も減員数の範囲内で医学部の増員を認め、最大30人までの増員枠を設けた。具体的な増員計画については各大学が10月末までに文科省に申請するという。

2009年3月26日木曜日

経営形態の見直し

①地方公営企業法の全部適用
事業管理者に対し、人事、予算等に係る権限が付与され、より自立的な経営が可能となるものの、その範囲は地方独立行政法人化に比べ限定的とされる。このため、事業管理者の実質的な権限と責任の明確化に特に意を払う必要がある。
移行に伴う手続き等は、比較的容易であるが、人事、予算等の事務を病院で行うことに伴う事務負担の増大に留意が必要となる。

②地方独立法人(非公務員型)
地方公共団体とは、別の法人格を有する経営主体に経営が委ねられるため、予算や財務、組織人事管理などの面でより自律的、弾力的な経営が可能となる。
設立団体からの職員派遣を段階的に縮減するなど、実質的な自律性の確立を図ることに配慮していく必要であり、また、移行に伴う運営協議等に時間を要することに留意が必要である。

③指定管理者制度
民間の医療法人等を指定管理者に指定することで、民間的な経営の手法の導入が期待される。
導入に当たっては、適切な指定管理者の選定に留意するとともに、提供されるべき医療の内容、委託料の水準、病院施設の適切な管理等について、事前に十分な協議、確認が必要となる。

④民間譲渡
その地域において必要となれる医療が、相当期間にわたり継続して提供されるなど、地域医療の確保の面から、譲渡の条件について譲渡先との十分な協議が必要となる。

2009年3月9日月曜日

AKI

3月7日、東京医科大学病院で開催された第3回JEPTIC(日本集中治療教育研究会)セミナーに参加してきました。
JSEPTICセミナーへの参加は第1回に続いて、今回が第2回目でした。
第1回目と比べて、今回はテーマを絞った講演内容となっており、今回は「AKI(acute kidney injury)」についてでした。


12:00-12:05 「開会の辞」 聖マリアンナ医科大学 救急医学 藤谷茂樹 先生
12:05-12:50 「AKIのRIFLE診断」 東京慈恵会医科大学 ICU 内野滋彦 先生
13:00-13:50 「AKIのマネージメント」 聖マリアンナ医科大学 腎臓・高血圧内科 柴垣有吾 先生
14:00-14:10 「タゴシッド」 アステラス製薬
14:10-15:00 「AKIのバイオマーカー、AKI治療薬の将来的展望」 東京大学 腎臓内分泌内科 土井研人 先生
15:10-16:00 「AKIにおけるCRRT」 東京慈恵会医科大学 内野滋彦 先生
16:15-17:15 「症例呈示:M&MとEBMからのアプローチ、治療不応性の肺炎のアプローチ」 茅ヶ崎徳州会病院 田口瑞希 先生


「AKIのRIFLE診断」
・急性腎不全の定義に対する混乱があった。
・定義と予後
・sensitivity vs specificity
・Acute on chronic renal failure:ベースラインの違い、Crの絶対値or相対値、相対値の問題点
・Baseline Creatinine:ベースラインが分からない人もいる(緊急入院など)、不明例への対応(MDRD)
・The RIFLE criteriaについて
・Acute kidney injury network(AKIN)
・impact of small Cr rise on mortality:0.3-0.5の上昇でも甘くみてはいけない
・Comparison of RIFLE and AKIN:あまり大差ない
・KDIGO(Kidney disease improving global outcomes):AKIについてのガイドラインを出す予定
・AKIに対する治療の現状:DICと同様に予後を改善する治療法はない。
・AKIのcriteriaやbiomarkerは臨床では使えない(リサーチの手段)
・Crの軽度上昇に対する感覚は大事
・Acute Kidney Injury - Epidemiologic Prospective Investigation http://akiepi.org/
・どんな定義でも必ずけちが付く。


「AKIのマネージメント」
・AKIの原因:院外の70%が腎前性、院内になると腎性が増える(non ICU-55%,ICU-80%)
・腎後性は最初に鑑別する:早期診断&治療が大事。
・AKI診断における超音波検査の有用性:
 腎後性(両側水腎症)→泌尿器科、CTなどによる閉塞機転確認、腎ろう・尿管ステント、膀胱ろう、尿道カテ
 腎前性~早期ATN(虚血による皮質浮腫、腫大)
 進行したATN(皮質輝度上昇と相対的髄質輝度低下)
 Acute on Chronic(腎の萎縮-皮質輝度上昇+相対的髄質輝度低下
・水腎症=AKIの原疾患??:片方だけなら別の原因があるかも!?両側確認する
・ドップラー超音波の有用性:進行したAKIでは拡張期血流がおちる。
・尿所見の重要性:
 腎前性(尿沈渣-異常なし、FENa-<0.1-1%)、腎性(atn-顆粒円柱,maddy>
・高齢者では半月体形成腎炎が多い。
・血清Crのみかた:GFRが極端に下がってもCrは徐々にしか上がってこない⇒GFRが回復してもしばらくCrは上昇し続ける。
・AKIでは水による希釈、低栄養などにより見かけ上、低値になりやすい。
・腎後性:排尿障害(腹部症状)、腎前性:脱水・低血圧(バイタル異常)、腎性:腎毒性物質(動脈硬化-コレステロール塞栓症)
・見かけ上、Crを上げる薬物:タガメット、アルダクトン、バクタ、ベネシッド
・AIN:H2 blocker/PPI、利尿剤、アロプリノール、けいれん薬、漢方
・心臓手術:低血圧、感染症、造影剤、血管クランプ-横紋筋融解、コレステロール塞栓
・VitaminD/Ca(高Ca血症) and/or NSAIDs
・腎は脳や心臓と比較して、より高圧環境が必要である。
・高齢→動脈硬化・血圧低下→腎血流低下(輸入細動脈が開きにくい)
・正常血圧性虚血性AKI:明らかな血圧低下のエピソードを認めない虚血性AKI。腎還流Autoregulationの破綻。
・Septic AKIにおけるhemodynamics:腎血流自体は保たれていても、輸入細動脈の極度の拡張により、GFRは低下する。
・Septic AKIではATNが多い??
・診断:
 Cr↑・GFR↑→エコー(腎後性、CKD合併、AKIのハイリスク)・尿沈渣(腎炎→生検)→FENa・バイタル・体液量・薬
・体液量の維持(等張液)-CVP 8-12mmHg、血圧の維持、腎毒性物質中止
・膠質液vs晶質液。HESはAKIを悪化させる可能性あり。
・ARDS等合併時、MAPや循環動態が保たれている限りはドライサイドで管理してよい。
・ノルアドは腎虚血を起こす??→ノルアドは腎血流を逆に増加させ、GFRを維持する→Sepsis,AKIでは積極的にノルアドを用いて、十分な昇圧を図るべき。
・RRT依存のタイミングが早期になっている
・pH<7.2(陰性変時作用↑、前負荷/後負荷↑)、循環動態が不安定or急速に進行する病態(組織虚血に伴う乳酸の進行性蓄積、コレラなどの重篤な下痢による持続的な重炭酸イオンの喪失)
・換気補助、十分な補液、心機能補助が大切
・pH<7.2をみたら呼吸性アシドーシス合併を疑う。
・ラシックス:1.大量ボーラス(100-200mg)でも効果なければ諦める(効果あれば持続投与へ) 2.フロセミドは使用を中止し、輸液をしぼる 3.体液過剰がある場合はRRT
・renal dose dopamineは意味ない(血圧をあげる作用はあるけど、それならノルアドを使ったほうがよい)
・体液量過剰で血圧など循環動態が安定している人はハンプ良い。
・N-アセチルシステイン、ビタミンC、バイカーボ


「AKIのバイオマーカー、AKI治療薬の将来的展望」
1.Overview of AKI biomarker
・AKIの機序:虚血と炎症が想定されている
・障害の主たる部位は尿細管上皮細胞である(急性尿細管壊死)
・尿細管上皮細胞は再生能力が高い⇒AKIにおける可逆的要素
・近年、尿細管上皮細胞の障害をGFR低下よりも早期に検出するというバイオマーカーが開発されている。クレアチニン、シスタチンC、NAG、β2-MG、α2-MG、NGAL、L-FABP、KIM-1、IL-18、IL-6
2.Animal model development of sepsis induced AKI
3.Potential therapeutic targets of sepsis induced AKI
4.Limitation of serum creatinine in sepsis


「AKIにおけるCRRT」
・△Blood Purification ○Renal Replacement Therapy(RRT)
・Continuous Veno-Venous Hemofiltration CVVH=CHF
・CVVHD=CHD CVVHDF=CHDF
・CVVH 52.8%,CVVHDF 34.0%,CVVHD 13.1%,CAVHD 0.1%
・Mode CRRT(CHF vs CHDF vs CHD):拡散dialysis(濃度差)-小分子ok(中分子苦手)、限外濾過filtraion(圧力)
・フィルターライフの違い:CHF-CHDF-CHDとTMPが低下するにつれて、膜の目詰まりが起こりにくくなりフィルターライフは延長する。
・予後に与える影響:
 予後をアウトカムとした研究はない
 中分子の除去が予後を変えるかは不明
 フィルターライフは短くてもいいから中分子も含めてしっかりと除去したい⇒CHF
 中分子の除去の利点は不明なので、フィルターライフ延長を優先する⇒CHD
 複雑なのがすき!?⇒CHDF
・Anticoagulation for CRRT:Heparin(世界の主流)、no Antigoagulants、nafamostat mesilate(日本で多く使われているが、エビデンスはない)
・ヘパリンを使うとフサンより出血が増えるはウソ(差はない)
・コストはヘパリンの方が良い。
・フィルターライフはフサンの方が良い。
・クエン酸(Caキレート剤)によるCRRT:
 フィルター前にクエン酸を血液中に投与することによりカルシウムがキレートされ抗凝固作用を発揮する。
 明らかにフィルターライフが長い(~5日)
 出血が起こらない
 バッファーとしても使用可能(重炭酸・乳酸の代わり!?)
 4%チトラミン 500ml(クエン酸製剤、扶桑薬品)
・クエン酸のまとめ:
 フサンに匹敵するフィルターライフ
 安い(ヘパリンより安い)
 出血(-)
 肝不全には要注意(肝代謝、測定できないので知らないうちに蓄積⇒肝不全)
 低Ca血症、アルカローシス、高Na血症などの合併症に注意
・フサンは良い薬:
 高K血症・好中球減少などあるが、ほとんどない
 十分な量を使用すれば、フィルターライフ長い
 APTT/ACTが延びても出血なし!?
 クエン酸のような禁忌がない
 高価、比較試験がない、出血しないという根拠なし
・intensity(使っている水の量!?):
 置換液の使用量:Better outcome with increased intensity
Intensity of Renal Support in Critically Ⅲ Patients with AKI
randomised evaluation of normal vs Augmented Level replacement Therapy(RENAL) trial
treatment dose:2L/hr,corrected dose:20.4ml/kg/hr(日本 10-16.7ml/kg/hr)
・Non renal indication
sepsis shock(市販フィルター+通常置換液)⇒CRRTをやってもsepsis予後変わらないor悪くなる(high volumeだと血圧があがっていいかも!?)
 High cut off hemofiltar(特殊フィルター)⇒サイトカイン下げる、血圧上げる、生命予後は不明
・まとめ
 日本のCRRTは進んでいるわけではない
 CHDFしなくても良い
 フサンでなくても良い
 high flow(35ml/kg/hr)にしなくても良い
 None renal indicationはしない


「症例呈示:M&MとEBMからのアプローチ、治療不応性の肺炎のアプローチ」
74歳、男性 浴槽で意識消失、発熱、嘔吐した状態で発見された。
誤嚥性肺炎を疑われ加療されたが、改善せず亡くなった症例。
エンピリックな抗生剤選択、MACの診断と治療、肺炎以外の鑑別などを議論した。
Mortality rates according to initial empiric antibiotic therapy!

2009年2月26日木曜日

医師不足解消に向けた動き

医師臨床研修、早期に専門科目選択 厚労・文科省の制度見直し案
 厚生労働省と文部科学省が検討していた医師の臨床研修制度の見直し案の概要が30日明らかになった。2年の研修期間は維持しつつ、内容を弾力化。必修の診療科を内科と救急に絞り込み、研修1年目に専門としたい科目を選べるようにする。専門科教育を早めて医療現場で戦力となる医師数を確保。地方医療機関での研修も義務付け、地方の医師不足の解消を促す。
 2月2日に開く両省の有識者会議「臨床研修制度のあり方に関する検討会」で提示。2月中に最終案を固め、2010年度にも実施する。(31日 07:00)



医師不足解消へ戦力確保 厚労省など見直し案
 厚生労働省と文部科学省は2日、医師の臨床研修制度の見直し案の骨子を公表した。必修科目を7から3に減らし、将来専門にしたい科目の研修を、いまより半年長く受けられるよう見直す。専門分野に精通した医師の早期養成が狙い。病院にとっては研修医を現場の戦力として活用できる。都道府県ごとに研修医の定員に上限を設けて、医師数の地域偏在の是正もめざすが、実効性には課題も多い。
 見直し案は「臨床研修制度のあり方等に関する検討会」に示した。月内にまとめ2010年度実施を目指す。研修期間はいまの2年間を維持しつつ研修内容を弾力化。医療現場で働ける若手医師の数確保を優先する。
 いまは2年間で様々な基本診療科目を最低1カ月ずつ経験する。ただ専門技能の蓄積と関係ない科目もあり、研修医の意欲をそぐとの指摘は多い。このため7つの必修科目を内科、救急、地域医療に限定する。一方で、将来専門にしたい科目で研修する期間を、これまでの最長8カ月から、14カ月に増やす。 (02日 22:51)



医師不足の臨床研修病院に外部講師費用を支援 厚労省
 厚生労働省は4月以降、医師が不足している地域の臨床研修病院を対象に、外部講師を招く際の費用を支援する。病院の魅力を高め、研修医を集めやすくする狙い。
 対象は全国約1000カ所の臨床研修病院のうち、医師の数が平均より少ない地域で研修を実施する545カ所。厚労省は2009年度にこのうち4割程度の申請を見込んでいる。外部講師が実施する1回当たり5日間程度の研修に対し、50万円程度を上限に人件費や宿泊費を助成する。(07:00)



臨床研修医、都市部集中の解消目指す 10年に新制度

医師不足を招いた一因と指摘される「臨床研修制度」について、厚生労働、文部科学両省は18日、見直し案をまとめた。必修科目を現行の7つから3つに減らすことや、都道府県ごとに研修医の募集定員の上限を設けることが柱。専門的な診療能力を養う期間を増やすことで、研修医を即戦力として活用するとともに、研修医が都市部に集中するのを防ぐ。 両省の検討会が同日、見直し案を大筋で了承した。厚労省の医道審議会で詳細を詰め、2010年度から新制度を実施する方針だが、医療現場には実効性を疑問視する声も根強い。 現行制度では、研修医は2年間の研修期間のうち、7つの必修科目を1年4カ月かけて回り、最後の8カ月間に将来、専門としたい診療科で研修を受ける。見直し案は、全体の研修期間は変えないが、必修科目を内科(6カ月以上)、救急(3カ月以上)、地域医療(1カ月以上)の3つに絞り、希望する診療科の研修期間を5カ月程度増やすという。(07:00)



民間病院、6倍200拠点に 公立に代わる地域医療、厚労省が育成策
 政府は地域医療の中核となる民間病院の育成策を固めた。産科や小児救急などを備え、公共性の高い民間病院を経営する「社会医療法人」を増やすため、税制優遇を拡充するのが柱。来年度から固定資産税を非課税にして同法人の経営を支援し、公立病院に代わる地域医療の中核に育てる。2013年度には法人数を今の6倍の200に増やす計画。医師不足が深刻な地域の産科や小児科を確保する狙いもある。
 社会医療法人は07年4月から始まった制度。救急、災害、へき地、周産期、小児救急の5つの医療分野のいずれかで一定の実績があることや透明性の高い経営体制などを条件に都道府県が認定する。地域医療で中心的な役割を担ってもらう狙いがある。認定されると一般の民間医療法人より法人税が軽減されるほか、公募債の発行による資金調達を認められるといった優遇措置がある。(07:00)



臨床研修医、全国定員14%減の9500人 10年度から厚労省
 厚生労働省は2010年度から医師の臨床研修制度を大きく変えるのに合わせ、臨床研修医の全国の募集定員を、研修希望者数の1.1倍の9500人程度に抑える方向で調整に入った。これまで全国定員は希望者数の1.3倍の1万1000人前後で推移しており、約14%の定員減になる。都道府県ごとに定員の上限も設けるため、定員数を希望者数に近づけることで「医師不足の地域にも研修医が集まりやすくなる」とみている。
 現行の臨床研修制度では、研修医受け入れ病院の定員の合計を全国定員にしてきたが、厚労省と文部科学省が18日にまとめた制度見直し策の一環で、10年度から国が全国の定員総枠を設けることにした。26日に開く医道審議会の医師臨床研修部会で厚労省が定員目標を示す見通し。(07:00)

2009年2月24日火曜日

ALL 自治医大

2月21日、長崎県で開催された第26回九州地域医学研究会(http://www008.upp.so-net.ne.jp/kyusyu20/)に参加してきました。

13:35~15:35 一般演題
 ①「ヘリコプター搬送で救命できたGuillain-Barre症候群の一例」 椎葉村国民健康保険病院 高村一紘 先生
 ②「多発性化膿性肝膿瘍の一例」 佐賀県立病院 小楠真典 先生
 ③「鹿児島県における初期臨床研修の検討~研修医一年目の立場から~」 鹿児島県立北薩病院 米澤英里 先生
 ④「経口ビスホスホネート製剤治療中に下顎骨骨髄炎を発症した一例」 椎葉村国民健康保険病院 青山剛士
 ⑤「上部消化管経鼻内視鏡検査における前処置の工夫」 奈良尾病院 橋本和子 先生
 ⑥「卵巣嚢腫茎捻転との鑑別が困難であった大網に陥入し急性腹症を呈した傍卵巣嚢胞の一例」 糸田町立緑ヶ丘病院 小柳貴裕 先生
 ⑦「小川島島民を対象にした心肺蘇生講習会について」 唐津市小川島診療所 山内康平 先生
 ⑧「C型肝炎治療における病診連携のインパクト」 奈良尾病院 山崎一美 先生
 ⑨「高齢者における身体機能の低下にどうむきあうか?~転倒予防の視点から~」 国保北浦診療所 井ノ口崇 先生
 ⑩「ATOM(advanced trauma operative management)courseについて」 東京北社会保険病院外科 宮崎国久 先生
 ⑪「栃木県における脳卒中地域診療ネットワークの稼動と問題点Ragional stroke care network in Tochigi;its efficacy and problems」 自治医科大学脳神経外科 田中裕一 先生

15:45~16:45 プレゼンテーション&シンポジウム
 「地域医療における長崎スタイル」 長崎県離島医療医師の会 会長 上五島病院院長 八坂貴宏 先生
17:00~18:20 招待講演
 「一期生として、そして、外国から見た自治医大」 自治医科大学公衆衛生学教授 尾身茂 先生
18:30~19:30 特別講演
 「地域医療において自治医大が果たしてきた役割」 自治医科大学学長 高久史麿 先生


残念ながら高久先生の御講演は聞く事ができなかったが、尾身先生のお話はとても面白かった。
始めは個人的な体験として、学生時代~研修医時代~義務年限中~研究~厚生省~WHO~現在までを冗談を交えながらお話された。
その後、自治医大がどのように映ったのかを話され、これからの課題を述べられた。

日本の医療が抱える根源的な課題
・公共財としての認識の低さ(需要・供給のバランスの欠如)
・地域の連携・ダイナミズムの不足
・長期ビジョンの未構築(医療費削減、療養病床など)

課題-「連携」(スイカ・パスモ化)
・ALL自治医大の連携強化
・拠点病院の確保
・総合医の専門資格化、NETWORK
・全国の地域医療情報の収集、分析、さらに政策提言

日本はもっと議論をオープンにするべき
反対するなら代替案を出さないといけない(自分の利益を守りすぎ)
総合医と専門医が協力した医療ができれば診療レベルの向上、さらには医療費削減にもつながる。
どんな分野でも一つの事しか分からない人がトップに立つのはおかしい(総合医の立場・認知の向上をしていくべきである)
「あと50年もすればみんな死んでしまう。その前にみんなで力を合わせて具体的な行動をおこしていこう。」


離島・僻地などで診療をしていると、どうしても小さな社会に閉じこもりがちになってしまう。
個々の努力では限界がある。
今こそ全国に散らばる同志で力を合わせ、日本の医療を立て直すべき時なのかもしれない。

2009年2月15日日曜日

doctor delivery system

2月14日、県立宮崎病院で開催された救急医療講演会に参加してきました。
13:00~15:15 「ドクターヘリの基礎知識とこれから」
講師:日本医科大学千葉北総病院救命救急センター 松本尚 先生

ドクターヘリは単に患者搬送だけのツールではなく、少しでも早く診療を開始するためのdoctor delivery systemである。
迅速なdispatchのために、覚知内容から消防本部指令センターが直接ドクターヘリを要請する割合をもっと増やしていかなければいけない。(現在80-90%が傷病者を観察してから現場救急隊が要請する)
すべての重症患者がドクターヘリシステムの恩恵を受けられるように、over-triageの容認。
要請基準:生命の危険が切迫しているか、その可能性が疑われとき。
ドクターヘリの評価には病院到着までの評価が大切(Revised trauma score(RTS)、GCS、血圧、CAGまでの時間)
救急医療の危機(専門性の要求、不適切な救急システムへのアクセス、患者のキャラクター、救急センターへの患者集中)
Oregon rule:低コスト・フリーアクセス・クオリティの3つ全てを叶えるのは無理。どれか1つは我慢しなければいけない。(吉野家の牛丼みたいな医療は無理)
集約化とドクターヘリ:医療機関(救命救急センター)・医師(救急医)・患者(重症者)、3者の集約化→患者の医療機関へのアクセスは低下するが、少なくとも重症者へのアクセスは担保される。
(イギリスはフリーアクセスが制限された医療、アメリカは高コストの医療、日本は・・)
ドクターヘリにより早期に現場で医療を開始することが出来る。(救急救命士の診療レベルを上げるにも限界がある)
ドクターヘリの弱点:運航時間の制限、天候による制限、重複要請。
ドクターヘリが飛べない時でもドクターが出動できるシステムを作るべき。ドクターヘリを補完する仕組みの確立→Rapid Response Car
医療スタッフの教育・育成→コードブルー
「官」にすべてを依存しない財源の模索→広告塔、企業スポンサー
地域の救急医療体制をどのように構築するかというvisionやdesignを考えるべき。中長期的視点。
何も考えずにドクターヘリだけを導入しても駄目。
「出来ない」「金が無い」「前例が無い」は言わない。代替案を考えるべき。


とても勉強になりました。
自分がした質問。
1.ドクターヘリ運航にあたって、都会と離島・山間部などの地域では違いがあるか?
2.山岳地帯、洋上救急においてドクターヘリと消防防災ヘリとの連携はどのようになされるべきか?

自分なりの考えとしては、1.については市街地などが広がり救命センターが多数存在するような都会と、離島・山間部などの特殊な地形・消防隊の充足・受け入れ可能な病院の数などを考えた場合、やはり違いが生じてくるように思われる。
離島間搬送などを考えればやはり、飛行可能距離等から現在のドクターヘリでは限界があり、長距離搬送用のドクターヘリなども必要になってくるのではないか?
またdoctor delivery systemとして、重症患者が出た場合の僻地診療所・病院への専門医の直接搬送、そして現地でのdefinitive therapyの可能性の模索、代診医の派遣、麻酔・手術・IVR時の医師・スタッフの派遣も必要ではないか。
2.についてはドクターヘリと消防防災ヘリのそれぞれの利点・欠点を生かした連携が必要である。救助の段階ではやはりヘリの機能・乗組員の能力ともに消防防災ヘリが有効である。救助後は速やかに現場での医療を開始し、ドクターヘリへ引き継ぐシステムが必要である。事故・災害時に備えて普段から合同訓練、情報交換、連携をしていくべきである。

2009年2月10日火曜日

地域医

医師確保へ総合医養成 宮崎大医学部
2009年02月04日  医師不足対策として、宮崎大学医学部(清武町木原)は4月、同大学医学教育改革推進センター内に全診療科に対応できる「総合医」を養成するため「地域連携室」を設置する。養成した医師を県内の公立病院などに派遣したい考え。同医学部はこれまで高度専門医療を担う専門医の育成に取り組んできたが、医師不足の中、専門外の診療に駆り出される専門医の負担が増加。辞職するケースも多く、打開策が求められていた。

この記事をどのように捉えるか。
ある医師は「全診療科をみるなんて無理。何でもできる=何もできない医者だよ。」と言った。

しかし、本当にそうか・・
確かに、全診療科にわたる100%の知識・技術を得る事は不可能であると思われるが、それぞれに対して60~70%の知識・技術を得る事は可能であると思う。
我々医師は国家試験を受ける時点では特定の分野だけの知識を要求されるわけでなく、全診療科にわたる知識を要求され、それを全医師が勉強してきたはずである。
単純にその延長線上と考えるのは浅はかであるかもしれないが、そのような医師もまた必要であると思う。
特定の分野では100点だが、他の分野では20~30点、ある分野では80~90点で他は50点くらい、すべての分野で60~70点くらい・・
色んな医師がいていいと思う。
医師といっても働く病院・地域・国で求められる知識・技術は異なっており、それぞれの医師はそれぞれの場所でそれぞれの能力を必要とされている。

医師個人の立場から考えれば、自分の興味ある分野の診療や研究に打ち込むのは当然の事であり、よりその専門性を高めたいと思うのは当然の事である。
同時に、その専門性を高めたいとの要求と同じように、より広い分野の知識を得たいとの要求もまた当然である。


今、厚生省や医師会を中心に家庭医(かかりつけ医)について、色々と議論されている。(参考:医療における安心・希望確保のための専門医・家庭医(医師後期臨床研修制度)のあり方に関する研究


自分が働いている村に病院は一つしかない。
当然、ここの村の人にとってのかかりつけは当病院である。
そこに選択の余地はないが、必ずしもそれが不幸な事とは限らない。
僻地にいるからこその良いところがそこにある。

自分はまだここに来て1年足らずであるが、院長は10年近くになり、今年定年を迎える看護師長はずっとここで働いてきた。
職員と患者との距離は大変に近く、近所の人であったり親戚同士であったり、何かしらの関係がある。
だから、救急の患者さんが運ばれてきても直ぐにどこの誰だか分かるし、家族にもすぐに連絡がとれる。
カルテを見れば、今までどんな病気にかかり、どんな病気で入院したか、どこの病院にかかった事があるのか、家族・子供は何人いてどんな生活をしているのか・・
カルテの中には病気だけでなく、その人の生活の記録が残されている。
さらに同じ村・地域の中に住む患者であるので、その地域ではどんな習慣があるのか、どんな病気が流行しているのか、どういった介護・福祉サービスがあるのか・・など、地域としての情報もつかみ易い。
もちろん都会の先生方の中にも地域に根ざして頑張っている先生はおられると思うが、都会に住んでいる住民からすれば、どのような先生が地域に根ざしてどのような診療をされているのかなどは分かりにくいのが実情である。


僻地医療の優れている点を都会の医療システムの中にも組み入れていくべきであると思う。
「地域に根ざした医者」「地域医」「家庭医」・・、どういった呼び方をしたらいいのかは分からないが、救急初期診療、慢性期管理、予防医学、学校医、介護・福祉サービスなどの地域に根ざした医療を中心としてやっていく医師・病院が必要である。
イギリスのような制度を完全に模倣する事はフリーアクセスなどの問題があるが、地域住民をシステムとしてある程度組み入れていくべきである。(イギリスでは国民は最寄りの地域のGP(General Practitioner)を探して登録する。病気にかかったときはまずGPの診察を受け、必要があれば専門医を紹介してもらい、診察を受ける制度になっている。基本的に、一生涯同じ医師の診察を受けるため、患者のデータが蓄積される。) 
そうする事で、何でもかんでも県病院・大学病院に行く患者やコンビニ受診する患者などを減らす事ができ、地域内における病院としての機能分担をもっと明確にし、それぞれがもっとその役割を果たせるはずである。


大都会には病院が無数に存在するのになぜ救急患者のたらいまわしが起こっているのか・・、それはそれぞれの病院が各々の病院としての機能と役割を果たせていないからである。
医師不足問題の折、開業医が公立病院等の救急当直を交代で負担すべきとの意見もあるが、救急救命士に認められてる医療行為がまだまだ限定的なものである日本においては、搬送に時間を要する症例などを予め決められた地域医のもとに運び、初期診療および初期トリアージを行うなどのシステムを作るべきだ。
そうする事によって、病院選定を迷う事も病院をたらいまわしにする事も無く、救命の連鎖としてもスムーズである。
実際に、僻地ではたらいまわしのような事は絶対に起こらないし、搬送病院に迷う事もない。自分たちの病院で手に負えない症例は初期診療を行い、速やかに後方病院へ搬送する。
そうすれば、救命センターに患者が殺到することはないし、それぞれの病院がそれぞれの病院ですべき医療を最大限に提供し、力を発揮することができる。


自分の家族が病気になった時、気軽に相談できる先生が近くにいて欲しいものである。

2009年2月2日月曜日

鉄の肺

1月31日に東京の東邦大学医療センター大森病院で開催されたRCMF(http://www.resp-care.org/)セミナーに参加してきました。
10:00~12:00 「誰も教えてくれない血液ガス」
        講師:東邦大学医学部麻酔科学第一講座 落合亮一 先生
13:00~18:00 「誰も教えてくれない人工呼吸のコツ Vol.2」
        講師:東京女子医科大学東医療センター 佐藤敏朗 先生

「誰も教えてくれない血液ガス」では、実際の症例・計算等を交えながら基礎から丁寧に教えて頂きました。
特に、酸塩基平衡を考える際のノモグラムの有用性。
呼吸や腎臓の代償性の動きがグラフ上で、目でみて理解することができて、難しい計算をするよりも多くの情報を得られます。

「誰も教えてくれない人工呼吸のコツ Vol.2」では、Smart Care(EVITA-XL)やProportional Assist Ventilation(PAV+:Ventilator 840)を使ったウィーニングの流れ、RTXの活用方法、NPPVモードの違いについて分かりやすい写真や図・動画を使って教えて頂きました。
ほとんどの人工呼吸器が陽圧換気が中心であるのに対して、RTXでは生理的状態に近い陰圧を作る事ができます。

鉄の肺」と呼ばれた初期の人工呼吸器を思い浮かべてしまいました。

2009年1月27日火曜日

介護難民

特養の待機者、38万人超 社会保障費抑制で整備不足
自宅で介護を受けることが難しいお年寄りが暮らす特別養護老人ホームへの入所待機者が少なくとも全国で38万2000人に上っていることが26日、共同通信の調査で分かった。要介護認定者に占める割合は8%。
全国で特養ホームへの入所者は現在、約40万人。待機者は入所者に近い数がいることになり、国が社会保障費抑制策を続けてきた結果、需要の高まりに施設整備が追いついていない現状が裏付けられた格好だ。
今後、市町村が策定する2009年度から3年間の介護保険事業計画で、待機者数に応じた特養増設などを求める声が強まりそうだ。
特養は、介護型療養病床や老人保健施設と同じ介護施設の1つ。入所期限がない“ついのすみか”と位置付けられており、24時間ケアが受けられる上、一般的に他の施設より費用が安いため、入所希望者が多い。このため、待機者には今後削減される療養病床やリハビリ目的の老健施設などから特養に移りたい人も含んでいる。
待機者に数える基準が自治体で異なるため、比較は難しいが、待機者が多いのは東京、広島、北海道など。要介護認定者に占める割合は、広島が21%、三重が20%、山梨が19%などと高い。
2009/01/26 16:58 【共同通信】



このニュースはやはりといった感じである。

自分の働く地域の特別養護老人ホームでも入所待ちの状態が慢性的に続いている。
増築するなどして対応しているが高齢化のスピードがそれを凌駕していく。

そのような意味では厚労省が06年度に打ち出した療養病床削減計画が緩和された事は当然の結果であったといえる。
http://www.47news.jp/CN/200807/CN2008072501000947.html


もちろん在宅医療へ重きをおく考えも間違いではないと思うが、高齢化が進み老老介護が当たり前となりつつ今の日本において、それは介護する側にとってはあまりにも酷な話である。
在宅でも受け入れられず、介護施設にも入れない高齢者が行き着く先、それは結局は地域病院への「社会的入院」である。
しかし、現在では社会的入院も長期入院に対する診療報酬減額などにより病院としても受け入れ難い状態となっており、社会的入院さえも追われてしまった高齢者はどうなるのか・・、まさしく「介護難民」である。

次の選挙では消費税増税が大きな論点になると思われるが、これは今後の日本の医療・福祉を考える上で大きな岐路となるはずである。
アメリカのような「低負担・低福祉」を目指すのか、ヨーロッパの一部の国のような「高負担・高福祉」を目指すのか・・

日本には、心ある美しい医療・福祉国家であってほしいと思います。


<関連記事>
特養ホーム:待機者42万人 要介護4、5の6万人が在宅--厚労省集計
 厚生労働省は22日、特別養護老人ホーム(特養)の入所待機者数を42万1259人と発表した。前回調査(06年3月集計)の約38万5000人と比べて約3万6000人増えた。前回は一部で人数を重複集計していたが、今回は重複を除外するよう調査しており、初めて実態に近い人数が明らかになった。
 厚労省は「増加は高齢化が進んだことや、施設整備が計画通り進まないなどが要因で、深刻な状況」とみている。
 08年4月以降に都道府県が実施した調査を今月集計した。待機者のうち、在宅の人は19万8677人(47%)。他の介護施設などに入所する「在宅でない人」は22万2582人(53%)。在宅の待機者のうち入所が急がれる要介護4、5の人は計6万7339人(16%)に上った。
 要介護度別では、要介護3が11万372人で最も多く、次いで要介護4が9万9806人、要介護5が7万8719人だった。
 厚労省によると、前回調査は重複のほか、要介護1に満たない人なども一部で含まれていた。こうした人を除外した今回は精度が上がり、同省は「より全体像(実態)に近くなった」としている。
 特養の待機者は、地価が高く介護の人材も集めにくいため施設整備が進まない大都市部で多い傾向がある。しかし、一部の都道府県が在宅者や重度の対象者しか報告していないなど「データがばらつきがある」として、同省は都道府県別の人数は公表を見送った。【佐藤浩】
 ◇先が見えない不安 母引き取り、娘はため息
 東京都足立区の自営業、伊藤和子さん(56)は昨年暮れ、弟の急死に伴い母親(81)を自宅に引き取った。全盲で認知症もある母親はトイレ、食事とも介助が必要で、最も重い「要介護5」。伊藤さんはすぐに、区内の特別養護老人ホームに入所を申し込んだが、待機者が約800人いると聞かされた。
 訪問介護サービスなどを利用し、何とか介護しているが、伊藤さん自身も腎臓が悪く、来月からは透析のため入院しなければならない。当面1カ月間は、老人保健施設に預けられることになったが、費用は特養の2倍近くかかる。
 伊藤さんは「娘が保育園のころは保育園の入所待ち。そして今は母の特養ホーム待ち。どうにもならないもどかしさと、先が見えない不安で息苦しくなる。この国のセーフティーネットは一体どうなっているんでしょう」とこぼした。
 今回の調査で、優先的に入所できるはずの在宅で要介護4、5の人が待機者全体の16%も占めた。
 NPO法人「特養ホームを良くする市民の会」の本間郁子理事長は「在宅介護の実態は深刻。国は在宅重視で介護保険制度を進めているが、ターミナルケアを含め安心感のある特養への国民のニーズは高く、制度設計を見直すべきではないか」と話す。
 さらに、「要介護度が重い高齢者ほど家庭内で虐待を受けるケースが多く、介護を苦にした殺人も増えている」とし、「高齢者の人権を守る意味でも、受け入れ態勢を早期に整える必要がある」と訴えた。【有田浩子、山崎友記子】

2009年1月17日土曜日

崩城

宮崎日日新聞の記事から・・

医師6人退職意向 県立延岡病院
医師不足が深刻化している県立延岡病院(楠元志都生院長)で、大学への引き揚げなどを理由に、今年4月までに医師6人が退職意向を示していることが16日、分かった。
 このまま補充がなければ在籍医師数は50人。昨年3月末と比べ12人も減少する見通しで、特に内科(定員10人)の医師数は8人から3人に激減。内科系医師は必ず当直勤務を担当するため、残る医師の負担が過重になるのは必至で、救急医療体制の維持に懸念が高まっている。 関係者によると、新たに退職意向を示しているのは内科2人(腎臓専門1人、血液専門1人)、神経内科3人、救急医療担当の副院長1人。同日、県が地元自治体の延岡市に通告した。 血液専門の内科医、神経内科医長、副院長の3人は、それぞれ県内外の別の病院に移ることを伝えている。腎臓専門の内科医と神経内科医は、派遣元の宮崎大医局が引き揚げ方針を示した。もう1人の神経内科医は自治医大の研修義務期間(10年)を終えて、退職する考えを示している。


前々から噂として聞いてはいたが、遂に公表された。
宮崎県北医療の要である県立延岡病院のこのニュースは、近隣病院・診療所そして宮崎県全体の医療関係者にとって大きなショックとなるであろう。
私が働く病院にとっても最寄りの三次医療機関となり、今後の診療への影響は必至である。
宮崎における医師不足は危機的状況であり、もう少しの猶予も残されていない。


<関連記事追加>
(2009年1月23日 宮崎日日新聞)
延岡病院の医師確保を 県北9市町村が知事に要望
県立延岡病院の医師6人が3月末にも退職する意向を示している問題で、延岡市など県北9市町村の首長や議長、病院関係者ら約20人は22日、東国原知事に医師の確保などを求める要望書を提出した。
 要望書では、(1)同病院の診療体制確保のため医師確保に努める(2)県が主体的に調整役を果たし救急医療体制を充実させる(3)診療科の偏在を解消し医師が適正に配置される対策を国に要求する―ことを求めている。 これに対し、知事は「ライフスタイルを重視する医師が増えていることも(医師不足の)要因の一つ。(医師の雑務を補助する)医療秘書をつけるなど労働環境の充実が必要だ。宮崎大へ医師確保も要求したい」と答えた。

(2009年1月25日 宮崎日日新聞)
延岡市民7団体「医療を守る会」発足
今年3月末までに県立延岡病院の医師6人が退職の意向を示していることを受け、延岡市内の複数の市民団体が「県北の地域医療を守る会」を発足させた。県などに医師確保や休診している診療科の再開を求める考えで、26日には県庁と宮崎大付属病院(清武町)に要望書を提出する。
 同会は「行政や大学に任せきりではなく、市民運動を盛り上げ、住民の声を届けなければ地域医療は崩壊する」と、署名や啓発活動なども展開する構え。 旭化成OB会や腎臓患者の会などの7団体で構成。延岡病院の緊急事態を打開しようと、延岡市区長連絡協議会(芝弘光会長)が市内の市民団体に呼び掛けた。

2009年1月2日金曜日

新年

明けましておめでとうございます。
私は今日から仕事初めです。1月2日~4日まで3日連続の日当直となります。

昨年は仕事およびプライベートにおきましても、納得の出来る一年とはなりませんでした。

今年の私自身の目標として、以下の3つを考えています。
・change
・never say never
・すべてに感謝

それぞれの言葉に思いを込めて、気持ち新たに、自分らしく日々歩んでいけたらと思っています。
このブログも今年はもう少し更新頻度を増やしていきます。

皆様、2009年も宜しくお願い致します。