2月14日、県立宮崎病院で開催された救急医療講演会に参加してきました。
13:00~15:15 「ドクターヘリの基礎知識とこれから」
講師:日本医科大学千葉北総病院救命救急センター 松本尚 先生
ドクターヘリは単に患者搬送だけのツールではなく、少しでも早く診療を開始するためのdoctor delivery systemである。
迅速なdispatchのために、覚知内容から消防本部指令センターが直接ドクターヘリを要請する割合をもっと増やしていかなければいけない。(現在80-90%が傷病者を観察してから現場救急隊が要請する)
すべての重症患者がドクターヘリシステムの恩恵を受けられるように、over-triageの容認。
要請基準:生命の危険が切迫しているか、その可能性が疑われとき。
ドクターヘリの評価には病院到着までの評価が大切(Revised trauma score(RTS)、GCS、血圧、CAGまでの時間)
救急医療の危機(専門性の要求、不適切な救急システムへのアクセス、患者のキャラクター、救急センターへの患者集中)
Oregon rule:低コスト・フリーアクセス・クオリティの3つ全てを叶えるのは無理。どれか1つは我慢しなければいけない。(吉野家の牛丼みたいな医療は無理)
集約化とドクターヘリ:医療機関(救命救急センター)・医師(救急医)・患者(重症者)、3者の集約化→患者の医療機関へのアクセスは低下するが、少なくとも重症者へのアクセスは担保される。
(イギリスはフリーアクセスが制限された医療、アメリカは高コストの医療、日本は・・)
ドクターヘリにより早期に現場で医療を開始することが出来る。(救急救命士の診療レベルを上げるにも限界がある)
ドクターヘリの弱点:運航時間の制限、天候による制限、重複要請。
ドクターヘリが飛べない時でもドクターが出動できるシステムを作るべき。ドクターヘリを補完する仕組みの確立→Rapid Response Car
医療スタッフの教育・育成→コードブルー
「官」にすべてを依存しない財源の模索→広告塔、企業スポンサー
地域の救急医療体制をどのように構築するかというvisionやdesignを考えるべき。中長期的視点。
何も考えずにドクターヘリだけを導入しても駄目。
「出来ない」「金が無い」「前例が無い」は言わない。代替案を考えるべき。
とても勉強になりました。
自分がした質問。
1.ドクターヘリ運航にあたって、都会と離島・山間部などの地域では違いがあるか?
2.山岳地帯、洋上救急においてドクターヘリと消防防災ヘリとの連携はどのようになされるべきか?
自分なりの考えとしては、1.については市街地などが広がり救命センターが多数存在するような都会と、離島・山間部などの特殊な地形・消防隊の充足・受け入れ可能な病院の数などを考えた場合、やはり違いが生じてくるように思われる。
離島間搬送などを考えればやはり、飛行可能距離等から現在のドクターヘリでは限界があり、長距離搬送用のドクターヘリなども必要になってくるのではないか?
またdoctor delivery systemとして、重症患者が出た場合の僻地診療所・病院への専門医の直接搬送、そして現地でのdefinitive therapyの可能性の模索、代診医の派遣、麻酔・手術・IVR時の医師・スタッフの派遣も必要ではないか。
2.についてはドクターヘリと消防防災ヘリのそれぞれの利点・欠点を生かした連携が必要である。救助の段階ではやはりヘリの機能・乗組員の能力ともに消防防災ヘリが有効である。救助後は速やかに現場での医療を開始し、ドクターヘリへ引き継ぐシステムが必要である。事故・災害時に備えて普段から合同訓練、情報交換、連携をしていくべきである。
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