2012年2月11日土曜日

消化管出血

2月7日、「地域医療の臨床課題を考える会」に参加した。今回のテーマは「消化管出血」。宮崎県の救急医療においてはとっても重要な課題。消化器内科不足の宮崎において、消化管出血の患者がでた場合に、時間内であれば対応できる病院もいくつかあるが、時間外・休日になると一大事である。特に県北においてはその問題は深刻だ。県病院にさえ消化器内科医がいないのだ。そのため、開業医と協力して輪番制をとらざるを得ない状況。。。
今回の講演会では、その問題の解決策を議論するまではなかったが、消化管出血自体を起こさないためにいかに「PPI」が有効であるかの話であった。
NSAIDやLDAが消化管出血のリスクであることは理解していたが、PPIとそれ以外の薬剤とのあまりの効果の違いには改めて驚かされた。
〈講演メモ〉
・救急の10%が消化器系疾患、70%が時間外
・LDAが癌の発症予防?
・LDAの出血はoozingの出血でも止まりにくい。oozingの出血は吐血せずに貧血が進行してから気付く。
・LDA:直接的粘膜障害強い。多発する。
・LDAとNSAIDの消化管出血のリスクは一緒。
・LDAで・・・心筋梗塞は555人に1人予防。脳卒中は106人に1人予防。消化管出血は248人に1人発症。
・アスピリンは低用量でも高用量でもリスクはあまり変わらない。
・腸溶剤でもリスク変わらない。
・クロピドグレルの出血性潰瘍の再発率は8.6%。LDA+PPIでは0.7%。
・抗血栓薬併用増えている→出血リスク↑↑
・抗凝固剤にPPIを足せば吐血は0%!?
・クロピドグレルとオメプラゾールの併用×→CYP2C19の酵素が使われてクロピドグレルの活性↓
・COX-2も胃粘膜防御に関与している!?微小循環障害に関与。
・ロキソニン27.6% vs セレコキシブ1.4%
・NSAIDで胃内pH↓ pH5以下になると胃粘膜障害起こす。
・坐薬も内服とリスク一緒。
・セレコキシブにPPI併用すれば発症0%にできる。
・NSAID/LDAはGERDも悪くする。小腸膜様狭窄・潰瘍も増やす。腸溶剤はさらにリスク↑
・小腸病変にはPPI効かない。ミソプロストール300μg/dayは効果あるが下痢・子宮収縮などの副作用に注意。セレコキシブなら小腸病変予防になる(vs NSAID+PPI)
・NSAID→大腸膜様狭窄・潰瘍。回盲弁・盲腸・上行など奥に多い!しかも多発!
・NSAID坐薬→直腸狭窄・潰瘍。
講演会後には懇親会があり、地元の医師会長や院長先生方と交流を持つことができた。こうした繋がりも救急の際にはとても重要であり、大切にしなければいけないと思う。
PPIの功罪をきちんと見極め、消化管出血の予防に努め、それでも消化管出血患者がでた場合には適切な内視鏡止血を行っていきたい。

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