昨日は第39回宮崎救急医学会に参加してきた。
はじめての参加であったが、宮崎で救急を頑張っておられる先生方が集まり、発表毎に熱い議論が交わされていてとても驚かされた。
今回の特別講演は、山口県立総合医療センター院長 前川剛志先生で「軽度低体温療法(脳低温療法)の現状と課題」の講演だった。
<講演メモ>
・体温↑→梗塞サイズ↑(サイトカイン↑)IL-8(好中球誘導)・IL-6(CRPインデューサー)
・高血糖→神経学的予後悪い
・Ca蓄積→カルコール×
・グルタミン酸↑
・脳虚血再開通後にスーパーオキサイド↑→血管内皮がやられる
・SAH:NO(ラジカル)が脳脊髄液中で上がる。血中NOは2週間で下がる→spasmと関係ある!?
・脳低温療法時間:12~24時間(24時間やれば大丈夫)。
・心原性は虚血による潅流障害だけだが、頭部外傷は脳自体の障害あるので、脳低温療法でも厳しい。
・新生児仮死:低温療法有効。頭だけ冷やす。33-35℃。
・小児頭部外傷では脳低温療法をやったほうが予後が悪い!バックグラウンドの違い!?
・頭部外傷に対する脳低温療法については結論出ていない。変わらないかも!?高次脳機能は維持できるかも!?
・プロトコールを立てるときは最重症・軽症は省くほうが良い。
・鎮静(ミダゾラム)だけではダメ!→血糖↑
・必ず麻薬を使用する。麻薬は鎮痛だけでなく鎮静・シバリング中枢抑制作用もある。
・麻薬を使用してもシバリングが出るようなら筋弛緩薬を使用する。
・NLA法が良い。ドロレプタンはα遮断作用もあり、有効。
・脳低温療法:浮腫改善。代謝抑制。細胞内アシドーシス改善。細胞内Ca蓄積の抑制(32℃)・・・
・心係数は正常域を維持する。それを下回ると脳低温療法の益がさがる...
・温度測定は血液温がベスト!膀胱温でもよい。末梢温度も測るべき(ほんのり温かいくらい)。十分なvolumeと末梢をひろげる。
・カリウムは正常下限→復温時のVf予防。
・血小板→5万を切ったら輸血。
・輸液はサリンヘス・ヴィーンF・リンゲル液などの糖を含まないものを使用する。ヘスパンダーは糖を含むので×。4℃、1500-2000ml(30ml/kg)、30分で。
・脳低温療法中は頭蓋内圧は下がるはずなので、上がる時には何か異常が生じた可能性あり。
・WBCは様々。CRPは上がる(←IL-6↑)が、タンパクなので産生に半日〜1日かかる。
・呼吸抑制-人工呼吸器
・酸素乖離曲線左方移動-微小循環改善
・循環抑制-ドブタミン
・不整脈-リドカイン
・血管収縮-volume・末梢
・シバリング/アシドーシス-微小循環改善。メイロンは組織アシドーシスになる。細胞内pH↓。
・K/Mg/Pにも注意。
・凝固障害
・32℃にしても、volumeいれてafterloadをとれば心筋酸素消費量を減らせて、Vfにはならない!
・シバリングは熱産生につながるので、きちんと抑制しないとダメ!
・早期の冠動脈再開通治療すべき。PCPSしながらやるのが良い。
・目標:32-34℃。自信があれば32℃が良い。32℃の方がCa蓄積↓。
・脳低温療法はラジカル・スーパーオキサイドを抑制する。
・頭部外傷は低温にするまでに時間がかかる。2時間以内に下げることができれば、成績はもっとよくなるかも!?
・下大静脈内カテーテル冷却法。
・CHDF:heat exchagerは使える。サイトカイン除去については大きなものはとれる!?PMX-エンドトキシンだけでなく、核内蛋白・内因性麻薬も除去できる!?
・縊首・窒息系は成績よくない。静脈系が遮断されることにより、脳内微小出血がおこる。頭部外傷と同様に脳自体の障害がおこるため。低酸素血症→乳酸↑、CO2↑→組織pH↓。
心肺停止後ROSCに至った患者をただ助けるだけでなく、神経学的予後をいかに良くするかの戦略が必要だと改めて考えた。
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